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壁話§喰える胃袋 [老化]

胃袋は鍛えれば、年齢を積み重ねてもそれなりに健啖を維持できるようだがそうしてこなかったこともあってか、年齢とともに食欲が淡泊になっていくような気がする。

若い頃……といっても三十代前半くらいまでだったのではと思うが、人並みに食欲はあったと思う。神保町で仕事をしていた当時、学生やサラリーマンの食欲を満たしてくれていた“いもや”に足繁く通っては、巨大なとんかつ定食を“がっつり”いただいていたのだった。

ところがそんな食欲が年とともに落ちていき、五十代に入った瞬間、いもやのとんかつと訣別したのだ。理由は簡単で、昼食に食べたとんかつが胃にもたれ、夕食が食べられなかったのである。

そんなわけで、五十代以降は徐々に食べる量が減っていったが、当然ながら基礎代謝も落ちてきているから妥当といえば妥当なのだけれど。

ドイツやオーストリアを旅して、ビールを呑むのは大きな楽しみなのだが、その時に注文する料理には常に悩まされる。一抱えもあるような大皿に巨大な肉塊がごろんと横たわっている様を見ると、それだけで負けそうになってしまう。だからこれなら食べられそうだという量の料理を常に頭に入れておかなくてはならない。

例えば、仔牛肉のカルパッチョやタルタル、あるいはソーセージサラダなどがそれにあたる。そしてごくたまにだが、ウィンナシュニッツェルを口にしてみるが、よほど空腹であるとか限られたコンディションの時である。

それに比べると彼の国の人たちは、幼少のみぎりから営々と胃袋が鍛えられ続けたことで、我々よりずうっと年長と思われる御仁が嬉々として巨大な皿に挑んでいるのを眼にして呆然とすることになるのだ。

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