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懐話§昭和四十年代~トイレットペーパー~ [昭和]

[承前]

予備校へと通うべく東京に出てきて半年、オイルショックをきっかけとした“トイレットペーパー騒動”が日本各地で発生した。昭和四十年代の終わり1973年のことである。

石油とトイレットペーパーには何の関連もないのに、大阪のとあるスーパーマーケットのチラシに書かれた“(激安の販売によって)紙がなくなる!”という一文が報道されたことで、騒動の火種となったのだという。

騒ぎが起きた当時、下宿のトイレは水洗だったが、トイレットペーパーではなくいわゆる“ちり紙”を落とし紙として使っていて、それであるがゆえかどうかはわからないが、騒ぎに巻き込まれたという記憶はない。

今回の……訳のまったくわからないトイレットペーパー騒ぎも同様なのだが――なぜかうまいことやり過ごすことができているのだが――テレビの報道などで騒ぎを見ていても、どこか他人事のような感じがして終わってしまうのだ。

だから1973年の騒ぎの時も、どこか対岸の火事のように眺めていて、何とかなるんじゃないかくらいに考えていた節がある。要するに前回も今回も、何の関連付けにもならない事象を、マスコミが取り上げたことで、その瞬間に騒動が始まってしまったのである。
                               [続く]

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