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過話§備忘録的な何か~2020年3月19日付~ [歌舞伎]

3月17日……3月3日から26日まで行われる予定だった国立小劇場の『義経千本桜』の全公演中止が決まってしまった。我々も当初の予定からチケットを買い直して待ち望んだが、菊之助の千本桜が幻におわってしまったのだ。

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最初は15日まで、次に19日までと小出しに休演していたのだが、自粛圧力を抗し切ることができなかった。もちろん、舞台上の役者と客席の我々の健康が優先されたわけだが。

言うまでもなく役者は舞台に立って何ぼの存在だから、こうした状態が長引けば長引くほど大きなストレスになっているのは間違いないところだろう。役者たちの無念さを慮れば、我々客席の人間の残念さなど物の数ではないのである。

3月18日……そしてこの日、歌舞伎座の三月大歌舞伎が全公演中止と発表された。特に昼の部の『新薄雪物語』は吉右衛門と仁左衛門という大顔合わせを楽しみにしていたのだが、舞台を観ることは叶わなかった。

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民間の興行だから一週間でも打ってくれるかと思っていたのだが。

同じ日に4月初めに行われる東京・春・音楽祭の目玉、ワーグナー作曲の楽劇『トリスタンとイゾルデ』の公演中止が決定した。

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指揮者と主役クラスが海外からやって来て行われる公演なので、渡航制限が徐々に拡大している状況では、早晩中止になるだろうと思っていたので諦めはついていたが、何とも残念な中止である。

まあ……国民には外出を控えるようにと推奨していながら、内閣や国会の仕事もそこそこに、さっさと帰って国民の税金で旨い物三昧を隠すこともしない“あの人”は、元より文化全般に何の興味も持っていないレベルの鈍感な人間だから、何の痛痒も感じてなどいないのは間違いない。それだけでなく、文化庁長官のような存在が、この状況下で一言も発信しないということがこの国の貧困さを表しているのではないだろうか。

とにかくコロナウイルスの蔓延をどのように防いで終息への方向付けをしていくか、国には具体的な対策を講じる知力も胆力も持ち合わせていないのではないかと感じてならないのだが。

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