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連話§ワタシの酒肴[143]数の子ポリポリ [酒肴]

[承前]

数十年前の北関東どん詰まりのあたりでは、まだまだ輸送流通が進んでいたわけではなく、特に海産物類の種類も限られていた。

正月食品の中の数の子にしても、鮮魚店に並ぶことはあったが、我が家では数の子は正月料理としては認知されていなかったし、存在すらしていなかったのだ。

小学生の頃に読んだ漫画の中に、登場人物が数の子を食べる場面があって、数の子を食べる音が“ポリポリ”と書かれていたのである。それで何を勘違いしたのか“数の子=煎餅のようなもの”と思い込んでしまったのである。

数の子を口にしたのは結婚して以降のことで、海鮮物好きの同居人が、お節の一品として出してくれたことで、ようやく“ポリポリ”の音が何であるか判明したのだった。

正月限定の肴として楽しませてもらっているわけだが、我が家ではもっぱら醤油漬けで、軽く鰹節をふりかけ、山葵をちょっと添えていただいている。
                               [続く]

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