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尽話§店の客に聞こえるような怒声 [日常]

商売人として、人を雇って日々の仕事などは、やったこともなければ、やる能力の一欠片もないので、本当に大変なことだと思う。

20年くらい前、一軒のケーキ屋が開店した。腕っこきなシェフパティシエが独立して開いた店である。フルーツあしらいが巧みでセンスがよく、評判となっていった。

それが10年ちょっと前、突然に店の勢いがなくなってしまったのだ。一度、ケーキを買いに行った時、店の奥にあるキッチンから怒声が聞こえてきたのである。それはシェフである店主の怒鳴り声だったのである。

それで――漏れ聞こえてきた話では――ある日突然、従業員が一斉に辞めてしまい、店の動きが取れなくなったというのだ。

たとえケーキの味がよくても、味とは裏腹なことが明らかにわかるような店で買い物をする気にならないのは、普通の感情ではないだろうか。

何人かのプロ野球監督経験者の言葉だと記憶しているが、相手を叱る時には人前でなく、誰にも聞こえないところで顔と顔をつき合わせて叱っていると聞いた。それが“心遣い”というものだろう。

こうしたことは、スポーツの世界における、体罰やパワハラの類とも似たところがあって、上の人間の感情にまかせた、人を人とも思わない行為と思うのである。

料理の世界は職人気質の要素と、その中に体育会的な土壌も含まれていると感じられ、そういえば都心の有名フレンチのシェフのスタッフに対するパワハラあれこれも、よく知られたことで、そうした行為に対して本人の言い訳は……誰もが似たようなもので呆れるばかりなのだ。

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